【月とアコギと缶ビール】シケモク風太officialblog

雨の日に出会った女の子のお話

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最近紫陽花をよく見かける。
雨の季節の花ってイメージがある。
梅雨の季節の花。

俺は道産子だから梅雨を知らずに大人になった。
東京に来て梅雨の季節を体感した。

雨。
靴が濡れるから嫌。

雨。
傘をさすのはあまり好きじゃない。

雨。
ギターがしめっぽくなるから嫌。

でも
俺、雨は嫌いじゃないんだ。

雨の日も悪くないよ。

濡れてもいい服装で裸足でアスファルトの上に行くのが好き。

窓辺で目をつぶって雨音を聞くのが好き。

誰もいないシャッター商店街のお店の前で雨宿りをしている時間も好き。

水たまりにハマった瞬間は嫌だけど一度びしょ濡れになってしまえば、開き直ってどんどんわざと水たまりを歩く。

一度びしょ濡れになってしまえば、もう無敵。

15歳の頃のお話

記録的豪雨の中
びしょ濡れで歩いてたら他の高校の女子が話しかけてくれて傘に入れてくれた事があった。
全く知らない人。

そのままその子の家まで連れてってくれて家にある要らない傘を一本俺に貸してくれたんだ。

「あげる」
って言われたのに
「明日必ず返しに来るよ」
って約束した。

でも翌日、傘を返しに行こうと思っても初めて行った場所だったし覚えたつもりがどうしても道がわからなくなってしまって暗くなるまで歩き回って探したけど結局、傘を返す事が出来なかった。

そして土砂降りの中で傘に入れてくれて隣同士で歩いてたわけだし、家について傘を貸してくれてすぐにバイバイしたから顔もあんまし覚えてなくてね。
名前も下の名前しか聞いてなくってね。
表札とかも見なかったし。

多分時間にして15分くらいしか一緒にいなかった人だったし、そんなにたくさんの会話もしなかったし、今では当時教えてもらってた下の名前すら覚えてないんだけど、当時を思い出すと青春っていいなって思うんだ。

俺、傘を返したいんじゃなくて、もう一度会いたくて「明日必ず返しに来るよ」って言ったんだ。

それはまだ恋ではなかったし、好きとかでもなかったけど、優しさに惹かれたんだよね。

もしも、家が見つかって傘を返す事が出来たなら……

雨の日になると思い出す青春の1ページだな。

この年齢になると、そんなシチュエーションありえないように思うしね。
見知らぬおっさんを傘に入れてくれるなんて、無い無い。

それにしても、あの子はあの日、俺が傘を返しに来ると思って待っててくれたのかな?

どんなに探しても家が見つけられなかった。
雨の日と晴れの日は景色が違って見えるしね。

失敗したな。
雨の日に探しに行けば見つけられたかも知れないな?
雨の日に探しに行けばまたあの子に会えたかも知れないな?

15歳の頃のお話。

おしまい。

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プロフィール

シケモク風太

シケモク風太

北海道出身、東京在住
「(ふ)だんの(く)らしの(し)あわせ」を大切に福祉(ふくし)のお仕事をしたり「普段の暮らしの幸せ」をテーマにギターで弾き語りしたりしています。1歳の娘の父。戦車の免許も持ってます。

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